〜 アカペラとの出会い 〜
以前はギターを片手に尾崎豊の曲ばっかり歌っていました。それから、ギターだけの演奏では物足りなくなり、ロックバンド「MENOUS」を結成し、ハードロックのボーカルをやりはじめました。5年間続いたバンド「MENOUS」も、やがて解散への道を辿ることになります。
しかし、そのころ、「MENOUS」のメンバーの1人であったサイドギターの西田氏は、別の音楽を学び、そして私にある話を持ちかけてきたのです。その話というのが、アカペラでした。その当時、私は、アカペラがどういう音楽なのかさえ、全く知らない状態だったのです。
〜 アカペラという音楽への衝撃 〜
それからというもの、私は、ボーカルがこれほど難しいもので、苦しいものであることを、いやというほど知らされることになるのです。数年前に全盛を迎えたアカペラを、今となっては知らない人はいないかもしれません。しかし、当時、アカペラと言えば、誰もやっていない、そして誰も知らない、マニアックな音楽でした。(その分、アカペラのグループは、貴重な存在でしたが。)
アカペラを全く知らない私は、まず、西田氏の協力を得て、数少ないサンプルをもとに、アカペラを勉強し、学ぶことから始めました。リードボーカルとコーラスの経験しかない私は、声でベースを演奏し、口でドラムを演奏することに衝撃を受けました。「これが本当に人間の声か?」と・・・。皆さんもアカペラを初めて聞いたときは、同じように感じたのではないでしょうか。
〜 アカペラでは、真の能力が問われる 〜
以前、ギター・ピアノでの弾き語りや、ロックバンドをやっていた私が、アカペラに魅せられた理由とは何でしょうか?
それは、以下のようなことが考えられます。
1.機材が何もいらない(=メンバーが揃っていれば、いつでもどこでも演奏できる)
2.路上でのライブが可能(これはギターの引き語りも同じです・・・)
3.アカペラグループはかなり貴重な存在であり、人に衝撃を与えることが可能
(今となっては、福岡でも100以上の腐るほどのグループが存在しますが、
当時は福岡でも10グループもあったでしょうか?)
これらの理由で、アカペラは私を虜にしてしまったのです。アカペラの練習をやり始めてからというもの、その興奮はものすごいものがありました。当初、私たちは公園で練習していたのですが、その練習の時でさえ人目を集めることが出来たのです。その分、練習にも気合いが入りました。
しかし、ロックバンドでボーカルをやっていた私に、アカペラは、これまでにない試練を与えます。アカペラには、ごまかしがほとんど効かない、完璧なヴォーカルが求められるのです。
アカペラは、誰にでも、気軽に始めることができます。だからこそ、真の能力が問われるのです。
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